”国際ロマンス詐欺”とは大方、名前の通りイメージできると思いますが、外国人による言葉巧みに恋愛感情を抱かせて、多額のお金をだまし取る詐欺のことです。
昨今、未だに騙されてしまう女性が多く、なぜこのような詐欺に中高年女性が騙されてしまうのか、その心理を探ってみました!
目次
日本人女性をだます巧みな手口とは?
国際ロマンス詐欺の手順は大まかこの流れに沿って進行します。
基本的にSNSやスカイプ、電話なども使って交流を深める(会うことはない)
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ロマンチックな甘い言葉を連発し、あたかも恋愛しているかのような気分を高める(結婚の約束をする場合もある)
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数か月~1,2年かけて信頼関係を作り被害者が信じ切ったところで、何らかの理由(緊急事態が多い)で金銭を要求する。信頼させるために、偽造契約書や偽造パスポートの写真を送る。
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送金手段としては、国際送金が年中無休で簡単にできるウエスタンユニオン(米国)を指定することが多い。
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「会ったときに返金する」と約束するが、突然連絡が取れなくなり、だまし取られてします。
これを見ると『どうみても怪しいし詐欺でしょ!』気づくとは思うのですが、そこは言葉巧みに愛のささやきを連呼し、マインドコントロールされてしまうのでしょう。
被害に遭った日本人中高年女性の心理とは?
国際ロマンス詐欺は人の弱さにつけ込んでくるマインドコントロールのプロ!
しかもターゲットにされる女性は、何か満たされない心の部分を補いたいがために関係を続けるわけで、その心の隙間にうまく入り込んでくるのです。
独身中年の白馬の王子様願望
愛情表現に慣れていない中高年女性
特に50代以上の女性は、 外国人の熱烈な愛情表現に慣れていないため甘い愛のささやきを毎日のように言われたら、ときめいてしまうのもわからなくはないです。
既婚者もターゲット
既婚者の場合、日本人男性にはない愛の表現に刺激を感じてしまったり、メッセージのやり取りだけで罪悪感を覚えにくいことから、より相手を信じやすい傾向にあるそうです。
また周りの人に相談することがほとんどないため、被害にあうまで詐欺だと気づきにくいようです。
若い頃は仕事に無我夢中で働き、やりがいのあるポジションまでいき、ふと気付いたら独身中年となっていた…という女性は「私は今まで、頑張って生きてきた!」という自負があるので、いつかはステキな男性と出会い、誰よりも幸せになれるに違いないと思い込んでいる節が少なからずあるとのこと。
確かに社会経験が長いほど、そういう考えは持つかもしれません。
その女性と同年代もしくは同年代以上の40~50代の独身日本人男性には、バリバリキャリアウーマンの心を射止めるほどのバイタリティが足りないと思っているので(もちろん中には素敵な男性もいると思いますが)、長かったシングルライフを埋められるほど愛せる対象にはならないと思っているのです。
そこに、イケメン外国人から
「日本語を覚えたい。だから友達になってほしい」
「会いたい」
「キミは運命の人だ」
「アイラブユー!」
「もう君しかいない」
「日本女性と結婚したい。僕のパートナーになってほしい」
なんて甘い言葉をひっきりなしに言われれば、詐欺と気づかず食いついてしまうかもしれません。
20~30代の若い女性
こうした被害に遭う女性は、見た目がやや地味で、「ハーフの子どもを産みたい!(かわいい子どもを産んでモデルにさせたい!)という、今までの自分とは違い外国人と結婚したという見せびらかしたい願望を持っている場合が多いそうです。
このように詐欺と気づかずのめり込んでしまう心理は、
「容姿を褒められたり、甘い言葉でくすぐられたりしたのではないか。
男の言葉が女性の自信に繋がっていれば、その相手を逃したくなく、お返しをしたいという『互恵性』の心理が生まれる。
外国の軍人が突然接触してくるなど冷静に考えれば嘘くさいが、大がかりな嘘で逆に燃え上がってしまうこともある」
引用:筑波大学人間系の原田隆之教授(犯罪心理学)
そして数か月後、毎日のように連絡がきていたのに急に連絡が途絶えるのです。
今まで自分を必要とされ、愛してくれた相手から連絡がこなくなれば、心配しドキドキしている心理が、いよいよマインドコントロールされた入り口に足を踏み入れるのです。
数日後に連絡がとれた彼から何らかのハプニングの話を聞かされます。
- 戦地で親友がうたれて死んだここから脱出したい
- 子どもが交通事故にあって医療費が払えない
- 家族が難病になり、お金のかかる手術をする
- 危険を冒して多額の報奨金を得たので君に送りたい
- トラブルに見舞われた。税関に別の手続きをするためにお金が必要
- ビジネスの出張先でトラブルが起きて支払いができない
- 結婚式の費用を先に振り込んでほしい
言葉巧みに様々なストーリを吹き込みます。
そのストーリーの中で発生するハプニングを回避するための金銭要求があるのです。
この時点でおかしいと思い、詐欺師にいろいろな疑問を投げかけたとしても、
「信頼してくれないあなたがおかしい」と諭されたり、
「助けて欲しいと」哀願されたり
自分が助けないといけない、動かないといけないという状況がマインドコントロールされていくのです。
そして更には、
「誰にも言わないでほしい」(軍人の場合には軍則違反になると言われる)
と周りに相談すると彼が困るというマインドコントロールがされます。
好意を寄せて信じている彼のことを信じたいと思うようになっていくのです。
1度でもお金を払ってしまえば、そのあとの次々に起きる金銭要求に対して不信感をもちながら払っているお金が無駄にならないかという危機感と、さらなるマインドコントロールが重なって、尋常ではいられない感覚にコントロールされていくのだそうです。
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国際ロマンス詐欺の犯人とは?
今回逮捕されたのはアフリカ圏の4人でした。
まさにこれらの詐欺の主犯の多くいる国とは、ナイジェリアやガーナにいる若い男の子達なんだそうです。
もちろん詐欺をはたらく犯人は世界各国にもいます。ですが、断然アフリカ圏が多いのです。
アフリカではなかなかいい仕事もなく、ランダムに選んだイケメンや、軍関係者の写真を無断で使用し、稼ぐために詐欺をしていたのです。
(詐欺にまったく関係ない人の写真を使われ、愛をささやいていた人物はナイジェリア人やガーナ人などです)
詐欺養成所らしきものがあったり、詐欺を会社組織化しているグループもあるのだとか。
アフリカでは詐欺という犯罪が、まかり通っているように思えてならないですね…
国際ロマンス詐欺は、そもそも10年以上前から存在する「ナイジェリア詐欺」のひとつの手法なんだそうです。
それが現在ではSNSへ移行しているのですが、更に詐欺被害は増える一方なのです。
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アメリカ軍人に憧れを持つ中高年女性の心理とは? まとめ
まずは、海外からの接触は安易に受け入れないことが一番ですが、どんなに信頼関係が築かれようと、恋愛感情を持とうと、会ったことがない人には絶対お金を振り込まないことが被害を最小限にできることではないでしょうか。
今は国際ロマンス詐欺がメディアで騒がれているので、こんな詐欺があったんだと思う方もいるかと思います。
ですが、このような詐欺はいつの時代もあるもので、インターネットの普及で今では当たり前のように世界の人々と繋がりを持つことができ、国内でもオレオレ詐欺やら何やらと被害が多い中、海外からも目をつけられて詐欺に遭ってしまう日本。
特に国際ロマンス詐欺は、『騙されているのに決まっている』とか、『いい年をして何やっているの』などと言われるので、周囲に相談しにくくなってしまい、被害が広まっている原因なんだそうです。
そして、被害に遭っても表沙汰にしたくないと泣き寝入りしてしまうのだそうです。
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