銃社会のアメリカ。
そんな危険な社会から守るべくアメリカの警察も常に危険と隣りあわせで市民を守っています。
ですが、何の罪もない市民が警察官に誤って射殺されるという事件がたびたび起きているのが現状です。
2018年9月にも女性警察官が善良な市民を射殺してしまったという事件を調べてみました!
目次
白人女性警察官が隣人の黒人男性を誤って射殺した事件とは?
2018年9月6日午後10時頃、アメリカテキサス州で、女性警察官のアンバー・ガイガー(当時30歳)が13時間勤務した仕事を終え制服のまま帰宅しました。
家に入ろうとしたとき、アパートの自宅のドアが開かなかったのです。
それもそのはず、実はその家はアンバーの家ではなく、その上の階の家だったのです。
自分の家だとすっかり思い込んでいるアンバーは不審に思い警戒します。
アンバーは大声で『開けなさい!』と叫びました。
すると、ドアが開いたとたん家の中は暗く、黒い人影が見え、アンバーは不法侵入者だと思いその黒い影に発砲したのです。
発砲された男性は、アンバーの家の上に住んでいるボサム・シェム・ジーン(当時26歳)さんでした。
ボサムさんの胸に命中し、すぐにアンバーは部屋のライトをつけ911に電話をします。
そこで目にしたのが、自分の家ではない光景と倒れている黒人男性を目にし、ディスパッチャーに、場所の確認をされアンバーがドアの外のナンバーを確認しました。
アンバーが住んでいたアパート番号は1378、
そこにいたのはアパート番号1478で間違いだと気づいたのです。
住人が動画を撮影したものですが、発砲した直後に動揺している様子のアンバー。
撃たれたボサムさんはすぐにベイラー大学メディカルセンターへと運ばれたのですが、そこで死亡が確認されました。
射殺事件の判決
亡くなったボサムさんは、大学を卒業後、会計監査・コンサルティングサービを提供する大手企業「スプライスウォーターハウスクーパース」に勤務していました。
人望が厚く家族に愛されていたボサムさんでしたが、やはりアメリカでは未だ人種差別的なものも残っており、今回の裁判でも善良なボサムさんをおとしいれようと検察側があの手この手を使ってきたのです。
アンバーはすでに警察を解雇され、2019年5回目の裁判で彼女は「怖かった」「本当に申し訳ない」と涙ながらに語ったのですが、最終的には有罪となり10年の禁固刑に服すことになりました。
アンバーに禁固刑が言い渡された瞬間、ボサムさんの家族や支援していた人達から大きな歓声があがりました。
それは、アメリカで警察官が黒人を銃で撃っても裁判で罪に問われないことが多いという背景があったからです。
今回を機に今後も正義がもたらされるようになることを願うばかりです。
被害者弟のハグで和解⁈
アンバーの判決が下った後、最愛の家族を射殺され憎しみに震えていてもおかしくない立場であるボサムさんの弟ブラント・ジーンさん(18)が、証人席からアンバーに向かって思いもよらない発言をしたのです。
あなたが天にいる兄に会えたなら、兄は『あなたを許す』と言うでしょう。
私は他の人を愛するようにあなたのことも愛します。私はあなたが、どん底に落ちて死ぬようなことを願ってはいません。
個人的には、あなたにとってベストな状態であって欲しいのです。自分の家族の前で、こんなことを言うつもりはなかったのですが、あなたには刑務所にさえ入って欲しくありません。
兄も同じ考えだということを私は知っているので…。あなたには最良の人生を歩んで欲しい。
神にあなたの人生を預けてください。それは兄が望む、あなたにとって最良のことだと思っています。
そしてブラントさんは、裁判官に
「彼女にハグすることはできますか?」
と尋ねました。
最初はためらっていた裁判官でしたが、了承を得た後にブラントさんはアンバーのもとへ行き、アンバーも号泣しながらブラントさんに駆け寄りハグをしました。
法廷内で2人は1分近く抱き合ったのです。
裁判官も心を打たれ、涙を拭っていました。
兄弟の母親アリソン・ジーンさんは、息子の行動に驚いたそうですが、全て彼が自分で決めた振る舞いは素晴らしく、誇りに思うと語りました。
ただ、このハグによって
「全員が完全に許されたと誤解されたくはない」
と付け加え警察関係各所はまだやらなくてはいけないことがたくさんあると指摘しました。
その後のミステリー 証人が殺害
その後、2019年10月、元警察官アンバー・ガイガーの裁判に証人として出廷したジョシュア・ブラウンさん(28)が何者かに殺害されました。
ブラウンさんはボサムさんと同じ階の住人でした。
同マンションで銃声がしたと警察に午後10時半ごろ通報があり、駐車場で複数の銃弾を受けて倒れているブラウンさんが発見されました。
その後、ブラウンさんは搬送先の病院で亡くなりました。
目撃者によると、複数の銃声が聞こえた後、銀色で4ドアのセダンが駐車場から走り去っていくのを見たということでした。
警察は、ブラウンさん殺害とアンバー受刑者の裁判を関連付けるものは見つかっていないとしているそうですが…
白人女性警察官アンバー・ガイガー隣人黒人男性を誤射殺した事件は弟のハグで和解⁈その後のミステリーとは? まとめ
女性警察官も当然故意に殺害したわけでもなく、階を間違ってしまったというミスでこのような悲惨な事件になってしまいました。
13時間~15時間勤務と言われていますが、そもそもそんな長時間勤務体制が問題だったのか、それに伴い体力も精神力も疲れ果てている時に、的確な判断ができるかといったことが問題なのではないでしょうか。
ただ、この裁判で関係した人々は、長時間労働していても、どんなに疲れていても、さすがに家は間違えないと言っていました。
それはどうなんでしょうね…
その時は、特に疲れていたわけではなかったのですが、考え事をしながら歩いていたのを覚えています。
そして弟さんの対応は、本当に泣けます。
ボサムさんのご家族の気持ちのわだかまりを浄化したという捉え方でいいのでしょうか。
なかなかあのような対応はできません。
アンバー受刑者も救われたのではないでしょうか。
最後に証言台に立った証人が殺害されるという事件ですが、アンバー事件に関係するのかしないのか、まだ解決はされていないようです。
いったい真相は何なのでしょうか…
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