時は1987年8月、両親にニューヨーク・ハーレムの病院に高熱のため連れてこられた生後19日の赤ちゃんが誘拐された事件。
誘拐された赤ちゃんが成長し23年後に、実の両親と再会したのです。
23年間育ててくれた母親が、実は赤ちゃんのころに自分を誘拐した犯人だった…という衝撃事件を調べてみました!
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赤ちゃんが消えた⁉
1987年8月 40度の高熱を出し両親に病院に連れてこられた生後わずか19日の赤ちゃん、カリーナ・ホワイト(Carlina White)さん。
医師に抗生物質を注射してもらい、しばらく様子を見るといわれ、その後両親が数時間後に病院に戻ると、そこにカリーナさんの姿がなかったのです。
何者かによって病院から連れ去られてしまったのでした。
両親はテレビにも出て、「私の赤ちゃんを返してください!」と涙の訴えをしたのですが、一行に見つかりませんでした。
この事件は当時、アメリカ中の注目を集めました。
カリーナさんの安全な引き渡しに1万ドルの報酬が発表され、顔写真付きのポスターがいたるところに貼られました。
引用:Daily Mail.com
実はこの時、白衣に身を包み看護師を装ったアン・ペットウェイ容疑者が、カリーナさんを病院から連れ出していたのです。
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育ての親は誘拐犯
カリーナさんはブリッジポートで、『母親』だというアン・ペットウェイ容疑者に
ネデラ・ナンス(Nejdra Nance)という名前で育てられました。
1998年、カリーナさんが10歳のとき、アン・ペットウェイ容疑者は男の子を産み、2人は姉弟として育てられました。
しかし「母親」のアン容疑者から機嫌の悪い時など、よく殴られたり、モノを投げつけたりと虐待されていたのです。
アン・ペットウェイ容疑者は、1983年から2005年にかけてコカインを使用し、30代まで毎日マリファナを喫煙していた常習犯でした。
カリーナさんはこの人が自分の本当の母親でなければどんなに良いかと、いつも考えていました。
さらに幼いころから「どうして自分と母親はこんなに似ていないんだろう」とアン容疑者と親子であることに違和感を持つようになります。
物心がつくころには、「もしかして、本当の母親は別のところにいるのでは」と思うようになっていったのでした。
カリーナさんに転機が訪れたのは16歳の時。
カリーナさんが妊娠し、それで役所に提出するために自分の出生証明書を母親に求めたところ、拒否されました。
その後、出生証明書について問い詰めるとアン容疑者は産みの母親ではないことを告白し、さらに本当の母親は彼女を捨てたのだと嘘をついたのです。
以来、カーリナさんは出産した子供を育てながら、実の親を捜し始めたのでした。
2011年12月、「失踪および搾取された子供のための全国センター」(NCMEC)のウェブサイトで、自分の子供とそっくりの子供の写真を発見。それは実の両親が届け出ていた、生後間もないカリーナさん自身の写真でした。
赤ちゃんの時のカリーナさんの写真(左)と成人したカリーナさんのイメージ写真(右)を掲載したポスター
カリーナさんは思い切って名乗り出て、DNA検査の結果、とうとう本物の両親と出会うことができたのでした。それは23年ぶりの再会でした。
「ずっと捜し続けていた。まるで生まれ変わったような気分」
23年ぶりに実の両親と再会したカリーナさんは、両親と固く抱きしめ合いながら語った言葉でした。
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母親は誘拐犯
カリーナさんが実の両親と再会を果たしたその3日後の1月23日、誘拐罪で逮捕されたのは、娘の“育ての親”アン・ペットウェイ容疑者でした。
アン・ペットウェイ容疑者は数回の流産を経験し、自分では子供が産めないかもしれないとの思いがつのり、誘拐したと告白。
彼女の親類はこう証言しました。
「当時交際していた男性の子を妊娠したが、流産。相手をつなぎ止めておくために子供が必要だったのだろう。当時はどこかで出産してきたのだろうと思い、誰も不思議には思わなかった」
アン・ペットウェイ容疑者と誘拐された直後のカリーナさん
23年間もの間 育ての親として母親をしていたアン・ペットウェイ容疑者。
カリーナさんも
「悪い記憶よりも良い思い出がある」と言っています。
アン・ペットウェイ容疑者の裁判の判決は12年の懲役を言い渡されました。
そして、カリーナさんは今後 名前をネデラ(Nejdra)のまま変えないそうです。
カリーナさんは娘サマニ(13歳)と一緒に暮らしていますが、カリーナさんにとって二人の親がいることは、とても幸せだと言っているそうです。
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母だと思っていた人が誘拐犯だった まとめ
子供を誘拐された家族の絶望は想像を絶するに値することでしょう。
誘拐されたカリーナさんの両親は、誘拐された1年後に離婚されています。両親は精神的ダメージが大きく、23年間も子どもを喪失したまま過ごしていかなければいけなかったのです。
何の手がかりも得られないまま23年が過ぎたのです。
その娘が23年経って現れたとしたら、その驚きは言葉に言い表し難いことでしょう。
何より生きていてくれた喜びのほうが大きかったと思います。
しかし23年間育ててくれた母親という存在は誘拐されたカリーナさんにとっても、実の両親にとっても忘れることのできない、カリーナさんの心に影響している人生の一部なのです。
判決前アン・ペットウェイ容疑者は、カーリナさんの家族に
「私は間違ったことをしてしまいました。許してください」
と謝罪しています。
両親としては12年の懲役は不服としており、自分たちが苦しんだ分、せめて23年の懲役に服して欲しいと嘆願していました。
とにかく実の両親との空白の23年間の溝をこれから埋めていって欲しいばかりです。
カリーナさん本人も、親が増えてHappyと言っているということで、良かったですね!
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