アメリカ・テキサス州シュガーランドの裕福な郊外の場所に住んでいた、
一見、絵に描いたようなセレブ家族のウィテカー家。
ですが、幸せそうに見えるセレブ家族に不穏な動きが漂います。
一家が家に着くや否や銃撃されてしまうのです。
強盗目的なのか、別の目的なのか、いったい誰が犯人で、どんな目的で殺人を犯したのかこの事件を調べてみました!
目次
アメリカ・テキサス セレブ一家銃撃事件!
左:弟ケビン 左中:母トリシア 右中:兄バート 右:父ケント 引用: www.cbsnews.com
母トリシアは元小学校の教諭、父ケントは、家族経営の建設業で役員として働いていました。
一家は裕福な暮らしをしているセレブ家族でした。
弟ケビンは思いやりのある外向的な性格の好青年でした。
長男バートは刑事司法のキャリアを目指し、ベイラーで大学の勉強を始め、その後サムヒューストン州立大学に転校し、家族は皆バートのことを応援していました。
2003年12月10日 長男バートの卒業最終試験の合格を祝うため、両親や弟と一緒にディナーを楽しみました。
引用:abcnews.go.com
家族団らんのあと家路に着き、ドアを開けた瞬間、幸せが一瞬にして崩れていったのです。
ドアを開けると、知らない男が覆面をして立っていました。
一番最初に入った弟のケビン(当時19歳)が、家の中からその男に銃撃されてしまうのです。
次に母親のトリシアさんが撃たれ、そして父親のケントさんが何が起きたのかわからない状態で前を向くと銃口がこちらを向いており後ずさりしますが、肩を銃撃されます。
兄のバートは隙を見て犯人に飛びかかり揉み合いになったのですが、左腕に銃弾を受け負傷してしまいます。
そのすきを見て犯人は裏口より待機していた仲間の車に乗り込み、逃走していきました。
弟ケビンはその場で亡くなり、母トリシアさんも病院へ搬送中に亡くなってしまいました。
父ケントさんと兄バートは負傷はしたものの一命を取り留めたのです。
何ヶ月もの間、生き残れた父ケントさんと兄バートは悲しみに暮れ、精神的にお互い支え合っていました。
犯人は生き残った父親か長男?犯人は意外な人物だった⁈
当初は強盗目的で入った男が、戻ってきた家族に発砲したのだろうと捜査されていました。
ですが、宝石類など高級品が荒らされた形跡がなく部屋も引き出しは空いているものの、きれいに整頓されたままなのです。
さらに、使用された銃は家族所有の物で目立たない場所に置かれていたのにも関わらず、場所を犯人は知っているかのように見つけ出していたのです。
警察は重症の父ケントさんのかわりに兄バートに状況説明をお願いしました。
しかし、不審な部分がでてきたのです。
兄バートの卒業祝いのディナーだったのに、実は最終試験に合格などしていなかったのです。
「家族をがっかりさせたくなかった」
と言っていたバートですが、7か月後に失踪するのです。
この出来事に警察は混乱しますが、バートの親友だったスティーブンとクリスに焦点をあて聞き取りを開始しました。
左:スティーブン 右:クリス 引用:www.cbsnews.com
すると、ふたりに捜査がおよぶと最初に自白をしたのはスティーブンでした。
クリスがウィテカー一家を銃で撃ち、スティーブン運転の車で逃げたというのです。
2005年9月、クリスとスティーブンは殺人容疑で逮捕されます。
殺人の罪を認めたクリスは30年の懲役刑で仮釈放の資格を得ました。
スティーブンは15年の禁固刑を言い渡されました。
このふたりが捕まったことで、バートの殺人計画が暴露されたのです。
この幸せな家族写真が撮られた数時間後、左:バートは、右:ケビンを友人の一人に殺害させました。
バートは襲撃されたのは黒人と言っていたのですが、黒人ではなく白人だったのです。
撃ったのはクリス・ブラシアで、クリスはバートに家族殺害を依頼されたと白状しています。
また、車で逃走した際の運転手スティーブン・シャンペインもバートに依頼されて犯行に加わったと白状しました。
事件当日、バートは家の鍵をわざと開けておき、クリスを家に侵入させ、ロックされた箱から銃と弾薬を取り出させ、家に潜伏させたのです。
スティーブンはレストランの外で車で待機させ、家に先回りして家族が戻って来るのを車で待っていました。
そして、バートは強盗の犯行に見せ掛ける為に、わざと自分の腕をクリスに撃たせた事がわかったのです。
バートは家族を殺害の為に、クリスとスティーブンに数千ドルを支払う事を約束していた事がわかりました。
さらに、バートは高校生だった時にも、3回家族の殺害を計画していたのです。
バートは逮捕される前にメキシコに逃亡、「Rudy Rios」という偽名を使い1年以上潜伏し、2005年9月15日メキシコ当局によって逮捕されアメリカ当局に身柄を引き渡されました。
2007年3月、裁判で検察はバートは実際に手を下したわけではないが、犯行の首謀者であり、最も罪が重いと主張しました。
また、検察は犯行動機について、家族に掛けられた100万ドル (約1億2000万円) の生命保険金目当てであったと述べました。
ですが、バート自身はそれを否定します。
バートは家族に掛けられた唯一の生命保険は弟ケントにかけられた5万ドル (約600万円) のみだったと主張したのです。
バートの弁護士は、バートは精神障害を抱えており、それが薬物乱用によって悪化し、家族を排除しなければならないという幻聴が聞こえていたというのです。
ですが、バートには死刑が言い渡されたのでした。
2017年11月1日、バートへの死刑執行を2018年2月22日に決定しました。
しかし、その死刑執行に強く反対したのが父ケントさんでした。
ウィテカー家は敬虔なキリスト教徒、父ケントは神を信じそして多額の遺産を手に入れるために家族を殺した息子バートを許したのです。
引用:www.cbsnews.com
父ケントはバートへの死刑は、残虐な刑罰を禁じているアメリカ憲法改正第8号に違反しているとし、また、弁護士や検察の不正行為、死刑の恣意性、致死量の注射による死刑の残虐性を訴えました。
「最後の近親者である息子をテキサス州が刑を執行すれば私は再び犠牲者となる」と主張し、あらゆる方法で死刑を停止を訴えたのです。
そして父ケントさんは唯一の生き残りの被害者として本を書き、テキサス州にバートへの潔白と恩赦を求めたのです。
そして、その父親からの嘆願を受けたテキサス州は刑の執行直前に停止を命じたのです。
2018年2月22日、死刑執行の45分前にバートは死刑から終身刑に変更されたのです。
アメリカ・テキサス セレブ一家銃撃事件!犯人は生き残った父親か長男?犯人は意外な人物だった⁈ まとめ
セレブ一家の長男に対して期待が大きかったのか、バートは親に一生懸命愛されようと理想の息子を演じていたのです。
ですが、高校生の頃から成績が悪くなり、一方弟のケビンは成績優秀で親から最も愛されていたと感じていたのです。
そんな自分はもう愛されていないとひねくれた感情を持つようになりました。
そんな折、バートは弁論大会で優勝したと偽り、親の愛情を求めるために嘘をついたのです。
その後、精神科にバートを見てもらった際、バートには【犯罪的思考】があると言われていたのです。
ですが、父親ケントはそれを信用しなかったのです。
このような悲惨な事件を起こしてしまったのには、弟への嫉妬や、家族への恨みがあったのでしょう。
これから家族を殺そうと計画しているのに、どんな思いでディナーを家族と楽しみ、仲睦まじく見せて写真撮影している姿は尋常ではなく、平静を装っている姿はとてつもなく恐ろしく感じます。
父親にとっては、最愛の家族を殺され、息子から自分をも殺されかけたショックは計り知れません。
それでも唯一の家族をこれ以上失いたくないという気持ちで息子を許し、死刑停止を訴え終身刑で命を取り留めることができました。
こんなにも愛されているバートは、どうしてそこまで悪の心を持ってしまったのでしょうか…
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