18歳娘アンジー殺害された被害者の母親無実を証明!冤罪20年間刑務所に服役クリストファータップ事件は23年後にDNAで真犯人を逮捕!【アメリカ】

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最近、DNA捜査で未解決事件(コールドケース)を解決しているシーシー・ムーアさんをご存じですか?

 

DNA捜査は急激に進歩し続けています。今回は殺害された女性の母親が冤罪で20年間も刑務所で過ごした男性の無実を証明するために奔走、DNA捜査で23年後に真犯人を見つけたという事件を追ってみたいと思います。

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冤罪で20年も刑務所に入れられたクリストファー・タップの事件とは?

1996年6月13日、米アイダホ州のアイダホ・フォールズで、当時18歳だったアンジー・ドッジさん(Angie Dodge) が性的暴行を受け、何度も刺されたうえ首を切られて殺害されました。

 

アンジーさんが住んでいる地域は、ほとんどがモルモン教徒のコミュニティで、隣人は名前でお互いを知っていて、ドアはめったにロックされないような静かで平和な町でした。

 

当時18歳だったアンジーさんの死のわずか3週間前に、自分のアパートを手に入れたばかりだったのです。

 

翌朝、アンジーさんは地元の美容用品店での仕事場に現れませんでした。

 

職場の友人の1人がアンジーさんの様子を見に行った時、ドアは開いたままでした。

 

友人は床に横たわっているアンジーさんを見つけました。

 

アンジーさんは14か所も刺され半分は裸のままだったのです。

 

 警察は数十人の地元の男性のDNAの収集を開始し、アンジーさんが知っているすべての人に数か月間、聞き取り調査をしました。

 

事件から約6か月後、現場に残されていたDNAが一致しないにもかかわらず、当時19歳だったクリストファー・タップさんが逮捕されました。

 

クリストファー・タップさんのDNAは精液と髪のサンプルは一致せず、当然クリストファーさんは関与を否定しました。

 

23日間にわたる28時間以上の取り調べを行われ、7回の嘘発見器(ポリグラフ)検査を実施の後、複数の人が関与した事件だという憶測のもと、クリストファーさんはその中の一人であると疑われアンジーさんの殺人幇助をしたと自白をするまでに追い込まれたのです。

 

 

クリストファーさんのDNAは犯罪現場で見つかった証拠と一致していませんが、複数の人が犯罪に関与したという理論に基づいて有罪判決を受けました。

 

ですが、クリストファーさんは、無実を主張し続けました。

 

クリストファーさんと裁判所で初めて顔を合わせたアンジーさんの母キャロルさんは、クリストファーさんを見るや否や

 

「あんたは獣!恐ろしい獣め!どうして娘にそのようなことをした?」

 

と罵り、憎しみを募らせていました。

 

しかし警察の捜査は矛盾が多かったのです。

 

キャロルさんは心のどこかで「娘を殺したのは他にいるのではないか?」という疑念をずっと抱いていました。

 

キャロルさんの夫が亡くなり、そこでキャロルさんは気持ちを変えたのです。

 

キャロルさんは、クリストファーさんの件ですでに動き始めていた冤罪証明を行う非営利活動機関「アイダホ・イノセンス・プロジェクト」に連絡を取りました。

 

そこで、当時の取り調べや、嘘発見器検査の様子が収められた動画を見たキャロルさんは、クリストファーさんの誰が見ても強要させられている自白や、そもそもDNAが違うのに犯人なわけがないと確信しました。

 

そして、DNAを残した真の殺人者を見つけ、クリストファーさんの無実を証明するため新しい使命を引き受けたのです。

 

そんな中、2017年3月22日クリストファーさんは

「アイダホ・イノセンス・プロジェクト」

のサポートを受けて検察側と取引をしたことで、刑期が短縮され20年間服役していた刑務所生活から釈放されました。

 

しかし、クリストファーさんは釈放され性的暴行罪の容疑は取り下げられましたが、“殺人者”としての汚名を返上することはできませんでした。

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DNA捜査で23年後に真犯人を逮捕!

 2019年5月16日、アイダホ・フォールズ警察のジョンソン署長は、DNAに一致した男をようやく発見して逮捕したことを世界に発信しました。

 

それは、アンジーさんが殺害されてから23年の月日が経っていました。

 

アンジーさんを殺害した真犯人は、同州コードウェルに住んでいたブライアン・レイ・ドリップス(53歳)。

 ブライアン・レイ・ドリップス

 

ジョンソン署長は、DNAが現場に残されていた型と一致したことと、犯人のブライアンが性的暴行と殺人の容疑を認めたことを明かしました。

 

そして、なんと犯人のブライアンは犯行当時、アンジーさんのアパートの斜め前に住んでいて、2人は顔見知りだったというのです。

 

警察は事件の数日後にブライアンに聞き取り調査をしていたのにもかかわらず、犯人候補からは除外されていました。

 

ブライアンは殺人の約7週間後、アイダホフォールズを去っていました。

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DNA捜査

シシ・ムーア氏

 

2018年11月、警察は遺伝子家系図に目を向けました。

 

シシ・ムーアさんは遺伝子系譜学者です。

 

シシ・ムーアさんとパラボンナノラブスと呼ばれる会社が、系図と公開データベースを使用して、多くのコールドケースを解決する上で大きな進歩を遂げています。

 

容疑者特定の決め手になったのはこの遺伝子系図と呼ばれるDNAプロフィールのデータベースで、警察はこれによりDNAが一致する親族を探し出し、犯人を絞り込んだのです。

 

今回シシ・ムーアさんが、アンジー・ドッジさんの事件を手掛け、容疑者を特定しました。

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シシ・ムーアさんは6人の男性に絞り込み、そのリストの6人のうち5人は1,000マイル以上離れたところに住んでいたのですが、そのうちの1人はアイダホ州に住んでいたとされる人物を絞りました。

 

その絞った男性のDNAを採取るするため、捜査官はアイダホに住んでいた男性を監視し、廃棄された噛みタバコの塊を証拠として採取しました。

 

ですが、その男性は、容疑者とまったく交わったことがないことがわかりました。

 

また振り出しにもどったのかと思ったのですが、実は行方不明の子孫がいる可能性があることに気づいたのです。

 

シシ・ムーアさんは、家族の男性の一人が早く結婚し、その後離婚したことを思い出しました。

結婚して子供がいるようには見えませんでしたが、別れた直後に子供が生まれた可能性があると考え、その女性に何が起こったのかを探したのです。

 

その女性の息子は、最初に結婚した男性との間の子でしたが、再婚後、継父の姓を名乗っていたのです。

 

それが、”ドリップス” だったのです。

 

警察は、ドリップスが車の窓から投げ出されたたばこの吸い殻を回収し、そのDNAは犯罪現場の精液と髪の毛と一致することが判明しました。

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18歳娘アンジー殺害された被害者の母親無実を証明!冤罪20年間刑務所に服役クリストファータップ事件は23年後にDNAで真犯人を逮捕!まとめ

 

                  引用:insideedition

クリストファーさんは7月中旬に全ての無罪が確定し、母親ベラさんとアンジーさんの母キャロルさんと抱き合いました。

 

「娘の死に疑問を持ち、正義を追いかけて私のために立ち上がり、決して諦めなかったキャロルさんには感謝しきれません。

最初キャロルさんは私に怒りと憎しみをぶつけてきました。

でもその後、彼女は私の一番の理解者となり支えてくれたのです。もしキャロルさんがいなかったら、私は未だに刑務所にいたことでしょう。」

 

事件当時19歳だったクリストファーさんは現在43歳。

 

フルタイムの仕事をされ結婚しています。

 

無実だったのにもかかわらず、冤罪で20年も服役されていた時間はもう取り戻すことはできませんが、今からでも失った時間を取り返すくらい幸せになってほしいですね。

 

DNA検査によるこのケースは、世界初の冤罪を立証できました。

 

今までのコールドケース(未解決事件)は、遺伝子系図によって解明されてきましたが、今後は人を有罪にするだけでなく、無罪を宣告するためにも、遺伝子系図の力を示すことはとても重要になってくるでしょう。

 

ムーアさんは、遺伝子家系図が今後のさらなる冤罪に役立つと考えています。

 

23年前に殺人事件で逮捕され20年間服役したクリストファー・タップさんに今年7月、無罪が確定され、無実を証明するために奔走したのは、殺害された娘の母親だったというお話でした。


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