シーシー・ムーアにとって初めてコールドケース(未解決事件)を遺伝子家系図で解決した事件は、1987年に若いカナダ人カップルが殺害され、31年間解決できずにいた事件。
それまでは、養子などの血縁を見つけるのを助けるために彼女のスキルを使っていましたが、殺人事件に介入したのはこれが初めてでした。
シーシー・ムーアは31年間も解決できなかったこの事件をたった1度の週末の時間をDNA捜査で調べ解決できたのです。
この事件を追ってみました!
目次
31年前のカナダ人カップル殺害事件
1987年11月18日 カナダのバンクーバーに住んでいたカナダ人ジェイ・クックとガールフレンドのターニャ・ヴァン・カイレンボーグを誘って、クックの父親の仕事で$750の部品を取りに行く必要があったため、一緒にシアトルまでバンで向かいました。
ふたりはビクトリアからコーホーフェリーで渡り、シアトル行きのフェリーに乗りました。
その後ふたりはシアトルについたあと、SoDo地区にあるジェンスコ(父親のおつかいで部品を販売している会社)の駐車場で車泊する予定でした。
ですが、シアトルフェリーチケットにスタンプされた午後10時16分を最後に、ふたりの姿は現れませんでした。
6日後の1987年11月24日に、スカジット郡のパーソンクリークロードから約20ヤード離れたところにターニャの遺体が見つかりました。
ターニャは半裸状態でジップタイで拘束されレイプされた形跡があり、380口径のピストルで頭の後ろを撃たれていました。
翌日には、ターニャの財布、ID、バンの鍵、手術用手袋、380口径の弾薬箱がダウンタウンにあるベーリングハムというバーのポーチの下で発見。
ふたりが乗っていたフォードのバンは、その近くの角を曲がった当時グレイハウンドのバス停だった場所に乗り捨てられていました。
その車には、精液で汚れたズボンと血痕のある掛け布団が車内に残っていたといいます。
その翌日、ジェイの遺体は、モンローの南西にあるスノコルミー川の橋の下で発見されます。
ジェイは石で殴られ、麻ひもで絞め殺されていて、さらに殺害後にされたであろう犯人が吸ったたばこの吸い殻と、ティッシュが口の中に大量につめられ、体にはふたりともが持ち合わせていない青い毛布で覆われていました。
そしてジェイの近くにもジップタイが見つかりました。
シーシー・ムーアDNA捜査で解決!31年後に逮捕!
ジェイの体を包んでいた青い毛布、カップルの捨てられたバン、そして決定的には犯人のDNAサンプルが手がかりでした。
しかし、この31年間手がかりがあったのにも関わらず、犯人を特定することができなかったのです。
2018年4月に、警察はシーシー・ムーアのDNAテクノロジー会社であるパラボン ナノラブス(Parabon NanoLabs)に助けを求めました。
そして、DNAサンプルを提供し、100万件ほどのエントリーがあるWebサイトGEDmatchにアップロードされました。
シーシー・ムーアは、GEDmatchのデータベースを介して容疑者のDNAを調べ、一致する家系図を調べ容疑者を見つけます。
シーシー・ムーアが見つけたその犯人は、今まで警察が調べてきた中で一度も容疑者として名前が出てこなかった名前だったそうです。
その犯人の名前は
『ウィリアム・アール・タルボット2世』
そして、警察はトラック運転手のウィリアム・アール・タルボットII(55歳)を監視しDNAを収集する機会を待ちました。
ふたりが行方をくらましたシアトルのフェリーターミナルから約3キロほど離れたところで、タルボットが運転しているトラックから紙コップが落ち、それをすぐに警察が収集に成功。
それは、殺人事件の証拠と一致するDNAだったのです!
5月には、タルボットが20年間トラック運転手として雇用されていた職場の外で逮捕されました。
タルボットは殺害時24歳、タルボットの両親はジェイの遺体が発見された場所から約11キロほど離れた場所に住んでいました。
犯人タルボットのその後
その後、タルボットは捜査官との協力を拒否し、死刑を科す二重殺人罪については無罪を主張していました。
ですが、タルボットは、裁判官が2019年7月24日にワシントン州エベレットにあるスノホミッシュ郡裁判所で仮釈放なしで終身刑を言い渡されました。
シーシー・ムーアDNA捜査で初解決!カナダ人カップル殺人事件で31年後に逮捕 まとめ
簡単にまとめると、
1987年11月18日カナダ人カップルがシアトルフェリー乗り場近くで消息不明となる。
その後、二人の遺体が発見されるが手掛かりがあるにもかかわらず犯人逮捕に至らず31年間もの時が過ぎる
DNAテクノロジーを使って事件解決に向けシーシー・ムーアに依頼
DNAで見つけた犯人はトラック運転手のタルボット。
今まで一度も容疑者として名前が挙がらなかった人物だった。
このタルボットのケースは、シーシー・ムーアがわずか3か月で解決したと思われる5つのケースの1つなのだそうです。
そもそも、2010年からシーシー・ムーアはDNAと遺伝学に関心を持ち、最初の仕事は何百もの家族と養子になった子供たちとの再会を助けるものでした。
ですが、今では約60件近いコールドケースを解決し、この同じ技術が犯罪解決を「革命」することができると言われています。
事件解決を待ち望んでいる家族や友人たちの為にも警察とDNA捜査がタッグを組んで全ての事件の真相を暴き、犯人逮捕につながって欲しいと思います。
合わせてシーシー・ムーアが解決した事件もどうぞ!
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